1-2.「モルグ街の殺人」を読んで

モルグ街の殺人を読みました。

率直に言うと、そんなオチかよと思いました。というのも、犯人が人間ではないというのはまだ納得できるのですが、事件の真相に何らかの意志が入っていないことにモヤモヤするからです。殺人が発生して探偵が出てくるからには、誰かが真犯人であることを隠したいという意図が入るのが自然だと感じるからですかね。そうはいっても全くの偶然だったという作品もあると思うので、好みの問題というか自分の先入観が多いに影響しているような気がします。いくつかの作品紹介に結論には賛否があるということが書いてあったのでそれも納得です。

結論に賛否はあるものの、推理小説の基礎を築いたのは間違いなく偉大な功績ですね。探偵役と相棒のコンビ、意外な犯人など推理小説の基本型がこの作品に詰まっていることは本当に驚くべきこと。

読んでいて浮かんだ疑問として、なぜデュパンは警察に対して嫌味を言うのかということ。確かにデュパンのように極めて論理的に事件を解決する探偵からすれば、視野が狭く事件を解決できない警察を揶揄するのも理解できる。しかしなぜポーはデュパンにその役目を負わせたのだろうか?

一つの仮説としては当時の警察の不甲斐なさを風刺する意図があったとが考えられる。が、この作品が書かれた1841年のアメリカのことを調べてもよくわからなかった。他の作品を読んでいくうちにこの仮説を検証していきたい。